2023年03月06日
こんにちは。
突然ですが「包丁の手入れ」してますか？
手入れというのは包丁を「研ぐ」「磨く」などを指します
現場で働かれている方でも、マメな職人さんはほぼ毎日、ご家庭では使用頻度にも寄りますが3か月～半年に1度程度が理想です。
包丁の天敵は何よりも「錆」
この錆が発生すると切れ味が落ちる原因や、見た目が良くない等のデメリットが生まれます。
ただし！ステンレス系の鋼材は錆び強い鋼材なので、そういったデメリットを限りなくゼロに抑えることができます。
今回はそのステンレス系の鋼材を用いた包丁についてご紹介していきます。
↑より安価
・モリブデン鋼
・V金10号（VG10）
・銀紙3号（銀三）
・コバルトスペシャル
・SG2（粉末ハイス鋼）
↓硬く、永切れしやすい
一般のご家庭で普及しているステンレス系包丁の鋼材は、ほとんどこれを使用しているといっても過言ではありません。
量販店に並ぶような包丁から有名ブランドの包丁まで幅広く扱われています。
特徴は何といっても安価でどなたでもお求めやすい価格設定をされているところです。
その扱いやすさから、プロの料理人の方でもサブの包丁として使用しているシーンを多々見受けられます。
デメリットとして、ほかのステンレス系の鋼材と比較した際に硬度が劣っており、切れ味の持続性は悪い部類となります。
ですが、あくまでもステンレス系鋼材の中でのお話です。
青鋼や白鋼などの「ハガネ」と比較すると非常に錆びにくく、メンテナンスも楽な鋼材です。
↑重久 牛刀 洋包丁 270mm ステンレスモリブデン鋼 ツバ付ハンドル 箱付 λA2039-2L3A
武生特殊鋼(株)さまが製造されている鋼材です。
ステンレス系の鋼材の中では1番の人気を誇るといっても過言ではありません。
先日の記事で触れた「ダマスカス鋼」包丁の心材として、よく使われている鋼材がこのVG10です。
ここのラインになってくると「高級ステンレス包丁」と呼ぶ声もあり、プロの料理人の方も愛用される方が非常に多いです。
このV金10号がステンレス包丁のスタンダードな鋼材となり、これを基準に硬さや錆びにくさなどを考えるといいと思います。
↑堺實光 刺身先丸包丁 300mm 槌目 ダマスカス V金10号 VG10 ツバ付マホガニーハンドル 箱付 O780-2L3A
和包丁などによくみられる鋼材です。
巷では「銀三（ギンサン）」と呼ばれており、近年日本料理に従事されている板前さんを中心に人気があります。
そもそも和包丁というのは青鋼や白鋼などの鉄に炭素を加えた「ハガネ」を主に使用しており、鉄とクロムを合わせた「ステンレス」の鋼材を用いた和包丁はほとんどありませんでした。
そこで日立金属(株)さまが開発した錆びにくい鋼材が「銀三」です。
通常ステンレス包丁は型抜きをして製造を行っておりますが、この銀三は鍛造ができる、つまりハガネ同様打って鍛えられる鋼材です。
それによってハガネに近い力強い切れ味を発揮しつつ、包丁の酸化を防ぐことが可能です。
生物を頻繁に扱う板前さんにとっては、非常に心強い鋼材です。
↑高鳳 鈴木商事 河豚引包丁 七寸 霞 銀三鋼 水牛黒檀八角柄 白鞘付 λA2261-2L3D
武生特殊鋼(株)さまが製造されている鋼材です。
簡単に申し上げると先に紹介いたしました「V金10号（VG10）」の特性を特化させたような超高級鋼種（鋼材）です。
非常に錆びにくく、列挙しているステンレス系の鋼材の中でもその性能は1番なのではないでしょうか。
切れ味とその持続力はV金10号より強化されているものの、銀三よりはやや劣るといった印象です。
武生特殊鋼(株)さまが製造されている鋼材です。
先にご紹介したどのステンレス鋼材よりも硬く、切れ味が良い鋼材です。
硬いということはその持続力も高く、永切れ性は随一です。
いわゆる「粉末ハイス鋼」ともいわれており、非常に高価な包丁なので、扱いも上級者向けの鋼材、包丁となります。
粉末ハイス鋼を用いた包丁は「堺實光（實光刃物）「子の日」「佐治武士（佐治打刃物）」「黒崎 優」等…デザイン性の高い包丁に使われることが多く、筆者もよく目にします。
もしお手に取られる機会があれば、ぜひその切れ味と佇まいを堪能してみてはいかがでしょうか。
↑関兼次 瑞雲 牛刀 210mm ダマスカス鋼 スーパーゴールド2 積層強化木 箱付
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