2023年04月13日
こんにちは。
先日の記事で「霞と本焼の違いについて」を執筆いたしました。
実は本焼の製法にも種類があり、大きく「水本焼」や「油本焼」などが挙げられます。
今回はその本焼の「製法」に焦点を当て、より深く解説していきます。
ハガネ一枚で造られた包丁を指します。
鍛冶師の方々が仕上げる至極の1本となり、プロの方でも憧れをもつ包丁です。
「本焼」と言われる包丁を造れる職人さんは日本でも数名と言われており、年々その技術、希少性への評価が高まっています。
この包丁の特徴として切れ味が鋭く、歪みがないことが挙げられます。
切れ味が良いと食材を切る際に繊維を潰さずに切ることができます。
そうする事よって食材の口当たり、味わいが変化します。特にお刺身(お造り)は顕著に違いが判ります。
硬度が高くその分手入れも難しいですが、1本持っておけば間違いない包丁です。
↑沖芝正國 柳刃包丁 尺一 本焼 鏡面 象牙銀巻黒檀八角柄 目釘留 黒檀鞘・袱紗・木箱付 O547
本焼包丁の中でも価値が非常に高く、だれもが憧れる包丁です。焼入時に水を使用して冷却をする事から「水本焼」という名前が付きました。
この製法は水で一気に冷却をするため非常に難易度が高く、熟練の鍛冶師さんが10本手掛けてもうち数本は割れてしまうともいわれております。
そうして出来上がったものはとても堅牢で、切れ味も鋭く、切ったものの切り口は艶が出るほどの仕上がりになります。
現在この水本焼の包丁を作れる職人さんは非常に少ないです。
後継者不足や需要の観点から今後さらに手に入りにくく、そして価値が上がっていく包丁になるかと思われますので、お手に取る機会があればその技術と確かな歴史を肌身で感じてみてください。
↑高鳳正國 玄海正國 伯鳳 伯井實 柳刃包丁 尺二 363mm 水焼 本焼 平鏡面 象牙銀三巻 黒檀八角柄 目釘留 黒檀鞘・御刀手入具・桐箱付 O683-3E4
焼入時に油を使用して冷却をすることから「油本焼」と呼ばれております。
水で冷却するよりも包丁自体の温度の下がり方が緩やかなので、比較的しなやかな仕上がりになります。
しなやかとは言えど、本焼の包丁なので硬度はしっかりありますが水本焼に比べると柔らかい印象です。
その特徴から「河豚引き(てっさ)」は油本焼の包丁を使いたいという方が多くいらっしゃいます。
また焼波(刃紋)の出方が非常にきれいに出ることも特徴であり、コレクター精神をくすぐる仕上がりにもなります。
使われる鋼材は「白一鋼」が主な鋼材となっており、こちらもまた焼波(刃紋)がきれいに出やすいと言われております。
↑高鳳正國 無双 高鳳無双正國 玄海正國 先丸蛸引包丁 尺二 水焼 本焼 白一鋼 上下水牛 銀巻花梨八角柄 目釘留 白鞘・箱付 O312
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